退職したあとカードローンの申込は可能?借入のための注意点とは

色々な理由で勤務先を退職する人は珍しくありませんが、退職後のお金の借り入れには制約が出ることを覚えておきましょう。

融資には様々な条件があります。たとえ退職直後であっても、この条件は満たさなければなりません。

よって、多くの金融機関で融資は難しい状態ですが、融資条件は金融機関ごとに違いますから、諦めないで借入業者を探しましょう。

今回は退職した人に向けて、利用できる借入先の探し方、そして借入の注意点などをまとめました。

融資条件はさまざま!退職後に注意が必要な融資条件

カードローンに限らず何らかの融資を受けるという事は、そのあと返済が伴います。金融機関はこの返済時に支払われる利息が利益につながっています。ですから返済能力は必須の条件と考えています。(こちらもご参考に→キャッシングの金利についてもっと詳しく!

例えば定年退職した場合、通常65歳から、希望によっては60歳から年金を受け取ることができますが、この年金を返済能力として認めるかどうかは、金融機関の考え方によって変わり、認められない場合カードローンの利用は難しくなります。

またこれに加えて年齢による申込み制限があるため、60歳以降は、申込みできるカードローンと言うのは徐々に減っていくことになるのでこの点にも注意しなければなりません。

安定収入のあることが前提

カードローンを申し込むと、審査が行われそれに通らないと利用することができないことは、ご存じだと思います。この審査では通常次の2点がチェックされることになってます。

  • 返済能力
  • 信用力

ここでは返済能力について考えてみましょう。カードローンは毎月返済していくのが基本なので、返済能力というのは要するに安定したある程度以上の収入が有るかどうかという事になります。

各カードローンの説明を見てほしいのですが、ほとんどのカードローンの申込条件には安定収入がある人という項目が入っています。

したがって退職した場合、給与所得はなくなりますから、そのままでは、別途何らかの収入が無ければ申込むことはできません。

そこで退職後の収入について考えてみる必要があります。最近では定年を待たずに退職をしても珍しいことではありませんから、その場合にカードローンの利用を考えるのであれば、まずパートや長期アルバイトでも良いですから、毎月収入が得られる再就職を探して、安定収入を作らなければなりません。

定年退職後であれば、年金がまず挙げられます。年金は国が取り仕切っているわけですから、金額的には安定収入と言えるでしょう。

しかしカードローンの審査という点で考えてみると、金融機関によって考え方が違っており、年金が安定収入として見てもらえる場合と、そうではない場合があり、カードローンによっては、年金しか収入が無い場合には申込みができない事があります。

したがって年金生活者の場合には、カードローンを選ぶ際に、年金収入だけでも申込が可能なのかどうかを申込む前に確認しておかなければなりません。

ただし現在60歳定年が普通ですが年金の支給は通常65歳になりますから、この期間はカードローンを利用しようと考える前に、継続雇用制度を利用したり、あるいは先ほど説明したような再就職を探してある程度の収入を確保しておく必要があります。

年齢制限も確認しておこう

若くして退職したという場合は関係ありませんが、定年退職など高齢になってから退職した場合には、返済能力に加えて年齢も重要な確認事項になります。

カードローンの申込可能年齢は満20歳以上というのは各金融機関で共通しているのですが、申込みの上限年齢は金融機関ごとに違っていて、例えば65歳でも申込める場合もあれば申込めない場合もあります。

主な金融機関の申込可能な上限年齢は以下のようになっています。年齢の表現は各金融機関の説明資料に合わせます。

金融機関名 カードローン名 申込上限年齢
みずほ銀行 みずほ銀行カードローン 66歳未満
三菱東京UFJ銀行 バンクイック 65歳未満
三井住友銀行 三井住友銀行カードローン 65歳以下
りそな銀行 りそなクイックカードローン 66歳未満
新生銀行 新生銀行カードローン レイク 70歳以下
アコム カードローン 69歳以下
プロミス フリーキャッシング 69歳以下
アイフル キャッシングローン 69歳以下
モビット モビット 69歳以下

このように一部を除いて銀行は65歳程度、消費者金融の場合は69歳程度が上限年齢になっていると考えられます。いずれにしても表をみれば分りますが、金融機関によって違いがあるため、申込時には必ず確認が必要なのです。

焦りは禁物!融資してくれる金融機関の探し方

では実際にはどのように利用するカードローンを選べばよいのでしょうか。まず年金や収入が少ない場合には、大きな借入額を望んだとしても、設定される利用限度額というものは、非常に少額になるため、あまり過大な金額を望むことは止めましょう。

選び方の基本は自分の希望を満たすかどうかという視点で行いますが、高齢になった時のことも考えて慎重に選びましょう。安易に選んでしまうと、なかなか審査に通らなかったり、使い勝手がよくなかったりするので、注意して選ばなければなりません。

大きな利用限度額を望むのは難しい

定年或は定年近くで退職した場合、在職中はそれなりに大きな収入があった人も多いと思いますので、退職後もその頃の感覚を引きずってしまっている場合があります。

このため、お金を借りる場合、希望する借入額が大きすぎても自分ではそれを感じ取ることができない場合がよく見られ、過大な利用限度額を望んでしまっている人が大勢います。

しかし、金融機関は現在の返済能力でしか評価はしませんから、まず必要なのは自分の利用限度額はそう大きくはならないということを認識することです。

例えば金融機関にもよりますが、年金だけしか収入が無いとすれば、年金額がいくらであっても利用限度額は10万円程度、大きい場合でも30万円までといった上限を設けているところも多いのです。

自分の周りの金融機関を列挙して自分の希望で絞り込む

ではどのように利用するカードローンを選べばよいのでしょう。まず自分が利用できる可能性のある金融機関を列挙することから始めます。例えばATMを利用してカードローンを利用するつもりであれば、店舗或はATMコーナーが自分の行動範囲になければなりません。

しかも高齢になってくると行動範囲は狭まっていくことが予想されます。したがってそういう事も考慮して、自分の周囲にある金融機関を列挙します。

列挙し終わったらこれらの金融機関のカードローンの説明資料を集めてください。実際に店舗に行って雰囲気なども見ておくとよいと思います。もちろん億劫であればインターネットを利用して情報を集めても構いません。

次に今度は自分の方の要求を箇条書きにして行きます。例えば年金でも利用可能なものとか年齢制限はどの程度とかという要求を挙げておきましょう。金利や利用限度額についても希望があれば挙げておきましょう。

ただしここで重要なのは退職後で特に高齢という事になると、借入れできなければはじまりませんから、優先すべき要求事項は収入額や年金の可否、年齢制限という事になります。

このため要求事項には優先順位をつけて必ず満たさなければならないことと、金利や利用限度額などは満たしていることが望ましい程度に考えるようにしましょう。

そこで要求をもとに集めた説明資料から各カードローンを評価してみみてください。借入れできる条件のカードローのうち、もっとも自分の要求を満たしているところが第一候補ということになります。

カードローンの選び方の手順を以下にまとめておきます。

自分の周囲にある金融機関を列挙

 ↓

カードローンの説明資料集め

 ↓

カードローンへの自分の要求事項の列挙

 ↓

要求事項でカードローンを評価

 ↓

申込むカードローンの決定

特に注意が必要なのは、いい加減な調査をして審査に落とされてしまった場合、6か月を超えない期間申込ブラックとなって、その間どの金融機関も審査に通さなくなってしまいます。調査はしっかり行わなければなりません。

低収入での借入れでは計画性が必要!返済計画を立てよう

収入が大きければ返済できると言う保証があるわけではありませんが、収入が小さい場合には遣り繰りは厳しくなるので、返済には一層注意が必要になるのは間違いありません。

返済を間違いなく行うためには、借入れは必要最小限にし、返済も計画的に行わなければならないため、借入れ前に返済計画が必要です。

また万一に備えて返済が行き詰ってしまった場合には、どんな対応をすればよいのかについても、あらかじめ理解しておくようにしましょう。

安易な借り入れは返済に行き詰る可能性が高い

審査が通ったとしても、それが返済できると言う保証にはなりません。借入れできる環境が整ったとしても、返済のことをよく考えずに無暗に借入れするのは危険なのです。

もっとも良いのは、冗談ではなく借りない方法を考えることです。収入の範囲内で不要不急の買い物を控えて遣り繰りできれば、借入れに伴う返済は必要ないのです。

どうしても借り入れが必要という場合には、なるべく返済が楽に済む様に、できるだけ借入れ額を減らすことを考えましょう。必要なのはここでも遣り繰りを考えることです。

このためには、自分が普段から何にお金を使っているかを把握しておかなければなりません。これまで気にしてこなかった人は、退職を機に家計簿をつけてみましょう。

借入れ前に返済計画を立てるようにしよう

ただしこれだけではまだ安心はできません。借金は計画的に返済していくことが大切です。したがって借入れをする場合には、その前に完済までの返済計画というものを立てるようにしましょう。

そこで返済計画の作り方を説明していきます。まず必要なことを明確にしておきましょう。

  • 返済期間を計算する
  • 返済までの各月の収支を予想する
  • 赤字月がある場合には遣り繰りを考える
  • 毎月現状に即して返済計画を見直す

まず返済期間の計算は、多くの金融機関ではホームページに返済シミュレーションという機能が提供されています。借入金額、月々に返済額、金利から返済期間を計算できるようになっています。

次にその間の各月の収入と支出を予想して収支を計算します。収入は年金額などですぐに予想はできますが、支出はなかなか予想が難しいものです。そこで判断に便利なのが先ほど説明した家計簿です。

毎月同じように支出しているもののほか、1年遡れば季節毎の変化する部分の支出も予想することができます。安易な予想をせず、しっかりデータに基づいた予想をすれば返済計画も信頼性が増すことにつながります。

収支を計算した結果、赤字になる月がある場合には、やはりここでも遣り繰りを考えて、返済額分のお金を捻出することが必要になります。なにをどう遣り繰りするのか返済計画に書き込んでおきましょう。

赤字が解消できる見込みが立った場合には、借入れを行っても大丈夫だろうという事になります。しかし想定外に事象が発生するのはよくあることですから、それに備える必要はあります。

そのためには毎月決まった日に返済計画を見直して、返済は計画通りに行っているのかどうかを確認することが重要です。もし計画に狂いが生じて、返済のためのお金が用意できそうになければ、その時点で遣り繰りを考えて計画を変更しましょう。

返済できなくなった時の対応

もし計画を見直している段階で狂いが生じ、遣り繰りもできなくなって、返済日にお金が用意できない事が分かった場合には、そのまま返済日を待つのではなく、すぐに金融機関に連絡して相談してください。

カードローンによって違いますが、返済額を一時的に減額できることが契約に明記されている場合もありますし、明記はされていなくても何らかの対応策を指示してくれるはずです。

信用には傷がつきますが、それでも何もせずに返済日を迎えて金融機関側から連絡が行くよりも、ずっと金融機関が受ける印象は良くなります。

年金などの定期収入がある筈ですから、翌月必ず返済できなかった分を含めてきっちり返済してください。この分翌月の返済額は増える訳ですから、当然その点について返済計画の見直しも行うようにしましょう。

情報共有が重要!高齢になってからの借入れには注意

現在では平均寿命が延びて、定年と言ってもまだまだ第2の人生があると言えるように、自分が高齢という認識は無いようになってきていますが、やはり若いころに比べれば体の抵抗力は小さくなっていて、常に万一のことも考えておかなければならない年齢です。

そこで高齢になってからの借入では、常に相続のことについて考えておかなければなりません。相続は資産だけではなく負債も引き継がれるのです。

このため高齢になってからの借入では、相続する事になる人にとっても大きな問題になる可能性があり、情報の共有が望まれているのです。

定年後の借入れにはもう一つ注意点がある

現在日本では法的に60歳未満の定年というのは有りませんから、定年したという事は60歳以上を意味しています。実際に60歳に近くなった人は実感としてわかりますが、無理が利かず体力は減少するものです。

この年齢になると、知り合いの何人かが事故や病気ですでに鬼籍に入っていても珍しいこととは言えず、その危険は何も知り合いだけではありません。自分にもいつ襲ってくるかわからないのです。

ですから定年後の借入れにはもう一つ重要な注意点があります。それは自分に万一のことがあった場合、その借金はどうなるのかという事を留意しなければならないという事です。

借金というものは言うならば負の資産で、相続の対象になります。相続というと不動産や預貯金、有価証券などを思い浮かべると思いますが、忘れてはいけないのはこの負の資産なのです。

ところが相続しなければならなくなった時点で、自分がどのような資産を相続するのかはっきりわかっている人は、そう多くはないのです。遺品整理で預金通帳が出てきたとか言うようなことは、よくある話です。

預金通帳なら大歓迎ですが、ある日金融機関から督促状が届いて借金が発覚するというようなことは、相続人としては歓迎できることではありません。

資産状況についての情報共有が必要

したがって原則としては、ある程度の年齢になってからの借金というのは、相続人と情報を共有しておくことが必要です。特に資産を上回るような借金がある場合には大変重要なことです。

資産だけを見て相続を決断した後、実は大きな借金もあったという事になると、その借金もそのまま背負い込むことになってしまいます。しかし予め借金が分かっていれば相続を放棄する選択肢もあります。

放棄すれば相続人は借金を返済する義務はありません。相続してから、相続人が困り果てるようなことにならないように、予め相談しておくようにしましょう。

もし何らかの事情で、あらかじめ相続人と情報の共有をしたくない、あるいはできない場合には、相続人が困ることにならないようにたとえ少額の資産であっても遺言状と負債を含む財産目録を用意しておきましょう。

最後に退職後のカードローンの利用での注意事項を確認しておきましょう。

  • 借入れには安定収入が前提で、年齢制限にも注意が必要
  • カードローン選びは自分の周囲で自分の要求を満たすものを探す
  • 借入れ前に返済計画を立てることが重要
  • 定年後のような高齢での借入れは相続人との情報共有が必要

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