複数のカードローンをひとつにまとめるメリット・デメリットとは
やむを得ず、複数の会社から借金をしてしまった。いかなる事情があっても返済は毎月、必ず追いかけてきます。
複数のカードローンを利用する場合、返済日や金利が業者によって異なるため、返済時には注意が必要です。
「バラバラになっている返済日を1回にして、金利も同一にできたら良いのに」
おまとめローンは、そんなアナタの願いを叶えます。
「でも、良い事ばかりじゃないんじゃないの?」
そんな不安もあると思いますので、ここではおまとめローンのメリットとデメリットについて解説します。
複数の借金をまとめる必要性とは?おまとめローンのメリット
「おまとめローン」とは、そもそも何を指しているのでしょうか?おまとめローンとは複数の借入先のある方、いわゆる多重債務者にあたる方が借り換えをし、借入先を一社のみにまとめる事です。
「借り換えと言っても、それで借金がなくなるわけじゃないだろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
毎月の返済に追われている方のなかには、魔法のように借金を一瞬で「なかった事」にできる方法を探している方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、借金は必ず返済をしなくてはいけません。
おまとめローンとは「借金を最初からなかった事にする」方法ではなく、「複数ある借金をまとめる事で、完済しやすくする」といった制度です。では、この方法を用いることでどんなメリットがあるのか?それを具体的に見ていきましょう。
返済日が月3~5回?金利も会社によってバラバラ
金融機関というものは、企業によって毎月の返済日が異なります。例えば4社から借り入れをしている場合、1社めは毎月5日の返済。2社めは10日の返済といった具合に、複数の返済日が毎月存在する事になります。
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その度にお金を用意しないといけませんし、1社でもうっかり忘れてしまうと企業から督促の電話がかかってきてしまいます。だから普段から、気が気ではないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さらに、消費者金融の金利はどこの企業でも同じという訳ではありません。
プロミス | アイフル | アロー |
---|---|---|
年利4.5%~17.8% | 年利100万円未満4.7%~18% | 年利15.0%~19.94% |
このように、同じ消費者金融であっても金利は企業によって異なります。そのため異なる複数の企業から借り入れをした場合、「返済日がバラバラである」だけではなく、金利もバラバラであるという事象が発生します。
例えば借り入れ金額の合計額が200万円で、借入先が4社だったとします。1社めから借りているのが30万円で2社めから借りているのが70万円。
そして3社めと4社めから借りているのが残りの金額だった場合、同じ200万円でも返済先によって金利が異なるので、実際の返済額が大きくかけ離れてしまいます。
まとめて一本化することで金利が安くなる
そこで、おまとめローンの出番です。先ほど述べたようにおまとめローンとは複数の金融機関から借りているお金を、一社にまとめるという方法です。
この方法によって、金利を統一する事ができます。そして借り入れしている金額が大きい方が金利は安くなる傾向がありますので、まとめた方が金利が安くなる可能性が高くなります。
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実際にどこの金融機関でおまとめローンをするべきか?という点については、おまとめローン。言い換えれば借り換えに特化したサービスをしている消費者金融。そして銀行がありますので、それぞれの特徴を見て調べて検討してみると良いでしょう。
総量規制の壁が取り払われるおまとめローン
消費者金融で借り入れをする場合、総量規制により年収の3分の1以上は借りられない。という規制があります。しかしおまとめローンに関してのみ、例外としてこの「年収の3分の1以上の金額は借りられない」といった壁が取り払われます。
消費者金融の場合は銀行に比べて金利が高いという特徴もありますが、審査に時間がかからなかったり審査も厳しくないというメリットがあります。
ただし企業によっては年収400万円以上の人でなければ利用できないサービスがあったり、その企業を初めて利用する人でなければ出来ない。という物もありますので、選ぶ際は注意が必要です。
また、あくまで借り換えのための借入れとなりますので、追加で融資を申し込むことはできません。
人気なのはやっぱり大手の銀行
銀行に関しては、やはり古くから身近にある金融機関であるという事。そして消費者金融に比べて金利が安いという事から、安心感があって選びたがる方も多いようです。
銀行については金利が安いですが、消費者金融に比べて審査に時間がかかる事。そして、審査が厳しいという特徴があります。また、消費者金融に比べて借入限度額が高額なローンが多いです。
また、一番の特徴は銀行のカードローンは、もともと総量規制の対象外であるという事です。そのため、総量規制の心配をする必要がありません。
3社以上から借入れをしている場合は、まとめた方が楽!
おまとめローンはまず第一に、複数の金融機関から借入れをしている人が利用する制度です。 そのため、3社以上で借入れをしている場合は、まとめてしまった方が管理が楽でしょう。
また、「借金がある」という事実は、借入先が少ない場合でも毎月の返済などもあるため債務者に大きな精神的苦痛を与えます。借金自体をなくす方法は、完済以外にはありません。
しかし、「返済を少しでも楽にしたい」という思いが強くなった時、精神的な重荷が軽くなる材料にはなります。そのため、3社以上で借入れをしている場合と、返済による精神的苦痛が大きくなった際におまとめローンを検討すると良いでしょう。
また、「返済に困ったらまとめれば良い」といった考えの方も、いらっしゃるかもしれません。しかし実際にはサラリーマンや賢い主婦のなかには、返済に困っていなくてもローンの一本化をする方が多くいます。
それは何故かと言うと、まとめる事によって金利が安くなったり返済する金額を調整しやすくなる。など、現在よりも管理がしやすいといったメリットがあるからです。
そのため、「こういった状況になったらまとめるべき」という明確な定義はなく、自分がまとめたいと思い立ったときに利用するのが良いでしょう。
知っておこう!おまとめローンにおけるデメリットとは
ここまでおまとめローンのメリットについて説明してきましたが、何事にも二面性があります。ここではおまとめローンを利用した場合、どんなデメリットがあるのか?それについて説明したいと思います。
ちゃんと計算してる?返済額が減る=お得というワケじゃない!
おまとめローンの最大のメリットは、返済日や利息を1つにまとめる事ができるという点です。しかし、利用する際は消費者金融や銀行など、いろいろな機関がおまとめローンを金融商品として取り扱っていますので、そのなかからよく吟味して自分に合った商品に申し込む必要があります。
よく考えてから申し込まないと、却って損してしまう事もあります。例えば、次の例を見てみましょう。
この場合、金利が18%から15%に下がる。つまり金利が3%下がるというメリットがありますが、気をつけないといけないのは返済期間が3年ではなく6年。つまり2倍の期間に伸びているという事です。
借金を返済する際は、必ず利息が発生します。返済期間が6年に延びた場合、利息の関係でおまとめした後の方が金融機関に支払う金額が大きくなってしまう。そんな現象も発生します。
おまとめローンを検討する際は、「毎月の返済額が安くなる」もしくは「利息が安くなる」といった目先の事につい目を奪われがちです。
しかし、おまとめローンを利用する際に本当に重要なのは目先の事ではなく、「おまとめする事によって金融機関に支払う合計金額が今よりも安くなるかどうか」という事なのです。
その審査、本当に通る?実は厳しいおまとめローンの審査
先ほども述べましたが、おまとめローンは金融機関の提供する金融商品の1つです。金融商品である以上は返済能力のある人にしか、提供する事はできません。そのため、おまとめローンを利用する場合、審査を受ける事になります。
しかし、金利が安いところの方が通常よりも審査は厳しく、また借入れ件数があまりに多い場合は審査に通らない場合もあります。
「複数の企業から借りている人がおまとめローンを利用するんだから、借入れ件数なんて関係ないんじゃないの?」
そんな声が聞こえてきそうですが、実際には5社以上から借入れをしている人は審査に通りにくいという説があります。
なぜそのような現象が起きるのかと言うと、おまとめローンの審査では借入れ総額よりも借入れ件数の方が重要視されるためです。
また、複数の借入れ先のある方がついやってしまいがちな失敗が、返済が遅れる事です。これは返済する当日にお金を用意する事ができなかった、というよりも返済日が複数あるため「ついつい忘れがちになってしまう」といった事が原因になりやすいです。
60日以上の延滞をしてしまった場合、そして万が一返済が出来なかった場合は、金融事故として5年間信用情報の記録に残ってしまいます。過去に金融事故を起こした事のある方は借りにくくなってしまうので、おまとめローンの審査にも当然通りにくくなってしまいます。
甘い言葉に騙されないで!おまとめローンを装った悪徳業者
おまとめローンの利用を検討する方は、例外なく多重債務者です。「どうにか返済を楽にしたい」もしくは「とにかく早く、借金から解放されたい」といった思いの強い方も多いでしょう。
そんな感情に漬け込む悪徳業者も、世の中には存在しますので注意が必要です。
一般的には「おまとめ詐欺」とも呼ばれています。内容としては大手の銀行を装って近づき、融資はしてくれるものの法外な手数料を要求される。または、以下のような手口もあります。
- 多重債務で悩んでいる方に対し、低金利の高額融資を提案する
- 融資にあたって、手付金や保証金が必要だと言って支払うよう要求する
- 支払いを求めるが融資される事はなく、いつの間にか電話もつながらなくなる
そのため、「おまとめローンが出来ます」と言って近づいてくる相手であっても、お金を要求してきたら警戒した方が良いでしょう。また、金融機関が自分から「借りませんか?」と言って近づいてくる事はまずありませんので、近づいてきた時点で警戒した方が無難です。
嘘つきは泥棒の始まり?嘘は絶対に書いちゃダメ!
おまとめローンは、複数の金融機関から借入れをしている人が借り換えをし、借金を一本化するための制度です。つまり、あくまで金融機関が提供する商品であり、返済能力のない人を救うための措置ではありません。そして消費者金融であっても銀行であっても「貸付」という商品を提供する機関では、返済能力のある人にしかお金を貸してくれません。
だからおまとめローンを利用する際も、必ず審査を通過する必要があります。
おまとめローンの審査を申し込む際、絶対にやってはいけない事があります。それは、嘘を書くことです。
金融機関は審査の際に、個人信用情報機関を必ず参照しています。そのため嘘を書くと必ず発覚し、融資を断られてしまいます。
おまとめローンを申し込む際、ついてしまいがちな嘘。そして、審査に落とされてしまう行動は具体的に次の4つです。
- 勤務先を偽ってしまう
- 年収を実際より多めに書いてしまう
- 必要以上の金額を借りようとしてしまう
- 借入れしている件数を少なく申告してしまう
まず、勤務先を偽ってしまうという行為について説明します。
審査の際、在籍確認の電話が勤め先にかかってきますので、勤務先を偽るとすぐ分かってしまいます。
勤務先を偽った場合、発覚した時点で審査に落とされてしまうため、必ず正直に書くようにしましょう。
次に年収ですが、源泉徴収など所得証明を求められる場合があります。申し込んだ先が消費者金融だった場合、「年収の3分の1以上の金額は借りられなかったはず」といった思いから、実際よりも年収額を多めに書きたくなってしまう方もなかにはいらっしゃるかもしれません。
しかし、おまとめローンは総量規制の対象外となりますので、気にせず正直に年収額を書くようにしましょう。
必要以上のお金を借りようとする行為ですが、嘘をついているわけでなくとも審査に落ちる原因になり得ます。
申し込む際の金額が少ない方が審査も通りやすくなりますし、一定の金額を下回れば所得証明を提出する必要がない場合もあります。
最後に借入れしている件数ですが、おまとめローンを利用する時点で複数の他社から借入れをしている事は周知の事実です。
おまとめローンにも、向く人と向かない人がいる
同じ多重債務者と一口に言っても、おまとめローンが向いている人と向いていない人に分かれます。ここではおまとめローンが向いている人と向いていない人の違いについて、解説したいと思います。
返済計画を見直したい!毎月の返済額を減らしたい人にお勧め
おまとめローンのメリットは、何と言っても借金を一本化できること。そして新たにローンを組む形をとるので、返済計画の見直しができる事です。
毎月の返済に精神的、そして経済的に苦しんでいる方。もしくは現在の借入れ総額がはっきりと把握できておらず、完済がいつになるか分からないという方。このような方は返済計画を見直すきっかけになりますので、おまとめローンの利用がお勧めと言えます。
まとめても借金は減らない!全く返済できないなら債務整理を
何かあるとすぐお金を借りてしまう、借り癖のある方はおまとめローンを利用する際に注意が必要です。
なぜならおまとめローンはあくまで複数ある借金を一本化する事が目的。つまりお金を借りるための借金ではなく、返済をするための借金なのです。
そのため、完済する前に他社から借入れをしてしまうと契約不履行となり、おまとめローンで借入れした金額を一括返済する事を求められる場合もあります。
おまとめローンに向いていない人ですが、それは返済自体が既に破綻してしまっている方です。おまとめローンとは借金をなかった事にするための制度ではなく、あくまで借金を返済しやすくするための制度です。
まとめたとしても、返済のめどが全く立たないような方は、おまとめローンではなく債務整理を検討するべきです。返済のめどが立たない場合は、債務整理をした方が借金が早く片付くからです。
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カードローンは何社も同時に申込できる?