友人と金利が違う!年収はあまり変わらないのにこの差はなぜ?

同じくらいの年収なのにカードローンの金利に差が有ったら、なんで?と思ってしまいますが、金融の世界では別に珍しいことではありません。

これを理解するためには、金利の決まり方を理解しておく必要があるため、まずカードローンの審査について調べてみることにしましょう。その点を踏まえたうえで、何故利用者によって金利が違ってくるのかを説明します。

結局のところ、金融取引の場合、重要なのは他の人と比較することではなく、自分の評価を如何に上げていくかという事なのです。

そこで最後に自分の評価を上げて金利を下げていくためには何が必要でどんな事に注意すべきなのかを考えてみましょう。

金利は利用限度額と一緒に審査で決まる!金利決定のプロセス

カードローンのような公表されている金利に幅があるローンは、審査によりその利用者に適用される金利が決まります。そこでまず審査はどのようなことが行われえているのかを知る事から始めましょう。

審査で最も大切なことは信用です。相手が信用できなければ、金融機関は返済の可能性を疑い怖くて貸すことはできません。

貸せると判断した場合でも、信用の度合いによって貸せる金額や金利が設定されるため、信用が低ければ低いほど融資可能額は少額になり、高い金利で借りなければなりません。

審査では何が行われているのか

審査で用いる審査基準は金融機関それぞれで違いますが、大きく分けると次の3点の確認・評価が行われることになります。

  • 本人の確認
  • 返済能力の評価
  • 信用力の評価

まず別人に貸してしまっては大変ですから本人だと信用できるまで本人確認をします。これには本人確認のための書類と在籍確認といって職場への電話で行われるのが普通です。

次に本当に返済できると信用しても良いのかを勤務形態や収入から評価します。借入希望額が大きい場合には収入を証明する書類を要求される場合もあります。

最後に信用力の評価では、過去にローンの滞納や、電気やガス、電話など各種の支払いが滞ったことが無いかなどを信用情報データベースを利用して評価しています。

この3点に共通していえることは、要するにローンの申込者について、本当に返済してもらえるかどうか様々な方向から信用を評価しているという事です。

この例はカードローンの例ですが、他の金融取引でも根本は同じで、最も重視されるのが信用です。しかもこの例でもわかる通り、判断は収入だけで行われるのではありません。収入が大きくてもかつて滞納したという情報があれば評価は低くなってしまいます。

信用と金利と利用限度額は連動している

この話にはまだ続きがあります。審査で判断されるのは貸すか貸さないかという事だけではありません。カードローンの説明を読めば書いてある筈ですが、審査では利用限度額と金利も決定されます。

金融機関は信用がある人には安心して高額の融資を行い利用しやすくするために金利も低く設定します。これに対して信用が小さい人に対しては大きな金額は貸さず、返済へのリスクから金利も高く設定されます。

ここで信用と利用限度額と金利の関係について纏めておきます。

信用 低 ⇒ 中 ⇒ 高
利用限度額 低 ⇒ 中 ⇒ 高
金利 高 ⇒ 中 ⇒ 低

このように利用限度額と金利はバラバラに決定されるのではなく信用という指標で関連付けられ連動して決定されています。ですから金融機関によってはホームページ等に利用限度額毎の金利を予め明示しているところも少なくありません。

つまりカードローンでは利用限度額が決まればそれに応じて金利も決まってくるという事になります。

評価はそれぞれ違いが出る!審査には何が影響するか?

信用というものが非常に大切だという事が分かっていただけたところで、本題である友人の方とと何故金利の差が出てしまったのかについて考えてみることにしましょう。

さらに金融機関の信用評価は具体的にはどのような点が評価に影響を与えることになるのかを知り、有利な金利にするためにはどうすれば良いのかについても考えてみましょう。

利用者と金融機関の信用はお付き合いで差が出る

まずもっとも簡単な例はカードローン利用で初めてその金融機関を利用する場合です。その場合、利用者と申込者はそれまでお付き合いがありませんから、金融機関側の評価では信用はゼロです。

ただし過去に問題が特に無い場合、金融機関としては新しい利用者を増やすためにも、融資を断るわけではありません。

そこで金融機関はまずはお試し期間という位置づけで、利用限度額を少額にし、金利は最も高い水準で契約することにします。例えば銀行で言えば金利は概ね4%から15%の間になっていますが、初めての利用者には15%近い最も高い金利が適用されます。

しかし申込者のほうは自分はしっかり返済できるだけの収入があるので、一番低い水準になるはずだと無意識のうちに考えているようで、金利が決まった段階で不満に感じる場合も多く、他の人と比較したくなるようです。

これに対して、その銀行に口座を持ち以前から給与振り込みに利用しているような人は、その分お付き合いしている期間があり、全くの初めての人より、信用評価は高くなります。

したがって、こういったお付き合いのある人と、初めてお付き合いを始める人では、年収が全く同額であったとしても、信用の評価は違ってくるため金利で差が出てくることがあります。

また住宅ローンをその銀行で借りている場合は、銀行によってはカードローンの金利を優遇すると明示している場合もあるぐらい、信用の評価は上がります。

またお付き合いのほかにも職業や職種によっても評価は変わります。金融機関の評価と職業・職種の関係を次に示します。(こちらもご参考に→カードローンを利用するための職業

職業・職種 金融機関の評価
公務員、正社員
契約社員、派遣社員 中の上
パート、長期アルバイト、自営業、年金生活者、専業主婦 中の下
短期アルバイト、水商売

これをみれば分ると思いますが、公務員や正社員であれば、毎月安定収入が入ってくるため、金融機関としては大変信用できる利用者です。

しかし例えば自営業者の場合には毎月の収入が安定している保証はありません。したがって年収はほとんど変わらなくても正社員と自営業では信用の評価は違ってきます。

友人の方と金利の差があって納得できないという場合には、これ等の要因を一度落ち着いて検討してみてください。評価の違いの原因が分るでしょう。

マイバンクを決めておくことがお勧め

そこでこれからカードローンに限らずこれから様々なローンの借り入れを考えている場合には、少しでも条件を有利にするためにマイバンクを決めておくことを勧めます。

要するにできるだけ利用する銀行を決めておいて、日頃から様々な人生プランについて相談したりしていれば、例えばカードローンの利用という場面で、そのお付き合いがものを言い、金利で有利な扱いが期待できるようになります。

信用作りが重要!金利は後々見直して貰える

カードローンを申し込んでみた結果、金利が高いと嘆いている人も多いと思いますが、説明した通り金利はお付き合い次第なのです。

でも一度決まってしまった金利は変わらないのではと思われている人もいるかもしれません。しかしそうではないのです。カードローンの金利は利用中に見直して貰えます。

そこでどうすれば見直して貰えるのかについて調べていくことにしましょう。

お付き合いが深まれば信用は作られていく

信用というものはお付き合いが深まるにしたがって作られていくものだという事は理解していただけたと思いますが、自分はカードローン以外お付き合いをしていないので無理だと考えていませんか。

実はカードローンだけを利用していたとしても、借りては返すという利用をある程度の頻度で続けていれば、金融機関はそれをよく見ていて、利用者が知らないうちに信用の評価は上がっていきます。

ですから、最初は多少金利は高いかもしれませんが、カードローンを適正に利用していくことが金利見直しのためには大変重要なことになるのです。

信用が一定以上になれば金利は見直して貰える

利用を続け金融機関の評価が一定以上になれば、金利の見直しが可能になります。そんなことは聞いた事が無いという人もいるかもしれませんが、利用限度額の増額申し込みというものを聞いたことはないでしょうか。

先ほど説明したように金利と利用限度額は連動しています。したがって利用限度額の増額が実現すればそれに連動して金利は下がって行くのです。

そこで増額できる条件を調べてみると、次の2点が満たされる必要があります。

  • 滞納などせずある程度の頻度で借りては返すという適正利用を半年程度以上続けること(ただし、最近では期間が延びる傾向があり1年程度を要する金融機関もある)
  • 改めて審査を受けて通過すること

審査は特に増額用の特別の審査というわけではなく、最初に受けるものと基本的には変わりません。信用評価が上がっていれば、その分自然に利用限度額が上がり、金利は下がることになります。

金利は徐々に下がって行くので焦ってはいけない

このように最初は金利が高かったとしても、利用限度額の増額が認められれば金利は下がります。ただしここで勘違いしてもらっては困りますが、金利は一気には下がりません。

例えばこれまで金利が14%だった人がいきなり4%になるなどという事は無いのです。利用限度額は増額申し込みを繰り返すことによって少しづつ上がっていきます。それに伴って金利は徐々に下がって行くのです。

他の人に比べて金利が高かったとしても焦る必要など無く、重要なのは自分の評価が少しでも上がるかという点です。他の人がどういう評価になっても自分に得には作用はしません、自分本位に得になることを考えていけばよいのです。

増額審査は諸刃の剣?金利が上がる可能性もある!

このように金利を下げてもらうには増額を申し込んで審査を受ける必要があります。しかし冷静な人には気が付いたと思いますが、審査は必ず良い方向に判断される保証はありません。

審査での判断が以前の審査よりも低い評価であれば、金利が下がるどころか、反対に上がってしまう可能性もあるのです。もちろん利用限度額も増額どころか減額されることもあります。
(⇒利用限度額は下手すると減額も!?

このように利用者の状況によっては、増額申し込みによる再度の審査は利用条件が厳しくなるという諸刃の剣になるのです。

増額審査では評価が下がることもある

審査というものは、どんな場合でも通る人と通らない人が出てくるものです。増額審査の場合、すでに利用中という事で安心している人もいるかもしれませんが、評価が下がることはよくあることです。

このため利用限度額が減額され、金利も上がってしまうことは珍しいことではありません。もし更に大きく評価が下がってしまって、金融機関が融資できる限界を超えていると判断すれば最悪契約解除になることもあります。

金利を下げようと考えるのも良いのですが、まず考えなければいけないのは、再度審査を受けることによって、そういった危険性が無いかどうかという事です。

評価が下がる原因を考えてみよう

そこで金融機関が問題視する原因について考えてみましょう。考えられる原因は次の通りです。

  • 適正利用を続けているが、まだ十分な信用には至っていない
  • 利用中に滞納などの問題行為があった
  • 利用中に他社のカードローンの利用を始めた

増額審査の開始は利用者の増額申し込みから始まりますが、それ以前の話として増額可能なのかどうかは、金融機関から連絡がある場合と、自分で判断する場合があります。

自分で判断する場合、自分が条件を満たしているかどうか判断が難しくなるため、場合によってはまだ十分な信用に至っていないうちに増額申し込みをしてしまう可能性があるのです。

また滞納は金融機関的には利益の確保に影響する場合もあって、大変大きな問題です。したがって滞納があった場合には大きく信用が損なわれることになります。

最後の他社のカードローンの利用は一見関係なさそうに見えますが、返済能力に影響が出るため実は金融機関が最も嫌う事です。このため他社の利用が分かった場合には、利用限度額の減額と金利上昇の可能性が高くなります。

利用限度額は最初の段階では非常に少額に設定されますので、お金が足りず安易に他社にも手を出してしまう人がいます。それが後々に影響していつまでも高い金利で借りなければならない原因につながってしまうのです。

金利が下がる可能性があれば増額を申し込んではいけない

したがってこれらの原因に当て嵌まる心当たりがあるのであれば、敢えて現在よりも利用条件が悪くなる危険性を犯してまで増額申し込みはすべきではありません。

そういう状態にならないように、カードローンでは利用開始時から、評価が下がるような利用をしないように、十分注意しながら利用することを心がけましょう。

最後にカードローンの金利が低くなる原因と、金利を下げていく方法についてまとめておきます。

  • 金利は利用限度額とともに審査で評価される信用に連動して決定される
  • 信用評価は申込者それぞれで変わり年収が同じでも状況次第で金利は変わることになる
  • カードローンでは条件さえ満たして信用の評価が上がれば金利は見直して貰える
  • 金利見直し時は評価によっては逆に上がってしまう可能性があり注意が必要

これ等をよく理解して、他と比較するのではなく、自分の利用条件を徐々に良くしていくという観点で利用してください。

【参考ページはこちら】
カードローン金利の決まり方

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