審査に通らない人はこうして決まる!銀行借り入れ審査のルール

銀行でお金を借りたいのに、なぜか審査の最終段階で毎回落とされてしまうようなことはありませんか?

消費者金融では特に問題なく借り入れができるのに、銀行カードローンなどの契約になると、途端に断られたという経験はありませんか?

銀行は、お金を貸す相手を選ぶときに、あるルールに則って審査をしています。大手中小の、どの銀行であっても共通の仕組みです。

消費者金融の借り入れは出来ても、銀行の借り入れになると審査に通らない人の大半は、銀行審査の仕組みを理解できていないのかもしれません。

銀行の審査に通らない人は、まずこの記事を読んで、銀行の借り入れ評価審査の仕組みと、断られる人の法則を理解しておきましょう。

まずは違いを知ろう!消費者金融と銀行のカードローン審査の違い

消費者金融で簡単に借り入れできるけど、銀行の契約になると審査で落ちてしまう人は、まず両者の違いを知る必要があります。

消費者金融も銀行も「お金を貸す」というサービスを提供しているのだから、審査で見るポイントも似たようなものだと考えている人が多いです。

しかし、実際にはこの両者では、審査の特徴や形式は全く違います。それを理解せず、どちらも同じものだと考えるのが一番の問題です。

そこで、消費者金融と銀行のカードローン審査の特徴の相違点を重点的に解説していきます。

ここで知っておくことは、消費者金融と銀行は顧客を得るという企業方針は同じでも、そのためのアプローチが正反対であるということです。

消費者金融と銀行の審査における違いは、以下の様なものです。

  • 顧客の集め方(消費者金融は顧客の数を優先・銀行は顧客の質を優先)
  • 顧客収集におけるリスク管理(消費者金融は顧客を集めるときに金融事故リスクをさほど問わない・銀行は受け入れを狭くしてでも顧客リスクを回避する)
  • 借り入れを許可する最低基準(消費者金融は収入と本人確認が取れるのが最低基準・銀行は個人の生活環境や労働形態が重視される)
  • 審査方式(消費者金融は比較的緩い収入の合格ラインを満たせばOK・銀行は契約者の属性をスコア形式で評価し判断)

この中でも特に重要かつ特徴的なのは、銀行の審査の仕組みである「スコア形式」での評価の観点です。これについては、後ほど詳しく解説していきます。

それを踏まえたうえで、具体的な違いについてみていきましょう。

消費者金融と銀行の審査基準はどう違う?

消費者金融の審査と銀行の審査では、その特徴に大きな違いがあります。その際には大手・中小のような規模は関係ありません。

審査基準が違う理由は、この2種類の金融業者が、借り入れの際に「顧客に相応しい」と考える条件が違うためです。

消費者金融の基本的な方針は「広く浅く」です。多少返済能力が低い人であっても気にせず、とにかく沢山の顧客を獲得したいと考えます。

銀行の方針はその逆で「狭く深く」です。リスクを最小限にして、同じ人と長く、強固な契約を結びたいと考えるのが銀行の考え方です。

そのため、消費者金融の審査は速く、比較的緩い基準です。銀行の審査は時間を掛け、顧客をしっかりと調べるので厳しくなります。

経営方針に沿った両者の審査の目的について

消費者金融は「広く浅く」、銀行は「狭く深く」が理想とする経営方針ということを知った上で、審査の観点について考えていきましょう。

消費者金融の審査が速いのには理由があります。最低限の情報を調べることに特化し、借り入れしやすいというイメージを作るのが目的です。

最低限の情報とは、継続的な収入があるかと、本人確認、過去の金融事故があるかの3点のみです。これだけなので審査が速いのです。

消費者金融は一人の顧客に固執しません。「一回利用してさよなら」という利用者が多いので、審査でも数をこなす必要があるのです。

銀行は消費者金融とは全く逆です。銀行の審査は一定の借り入れ額を超えると途端に厳しくなります。

銀行の借り入れ審査の最大の特徴は「金融事故リスクを避ける」という一点に特化した観点です。

信頼できる人に低金利で、たくさんのお金を貸して、長く付き合っていきたいというのが銀行の考え方なのです。

なので、借り入れ金額が小さい場合は審査は厳しくないのですが、利用額が50万円を超えるあたりから、全く別物の審査になります。

審査で求められる条件の具体的な違い

消費者金融の審査に通るというのは、「貸金業者が契約者に求める最低限の条件を満たした」ということです。

しかし、消費者金融は審査といってもその実、ほとんどの人が通ります。継続収入があって本人に事故情報などの問題がなければ良いのです。

銀行の審査を一言で言うなら「契約者の返済能力診断と身辺調査」です。身辺調査という言葉通り、非常に細かく調べられます。

詳しくは後述しますが、収入や本人確認などの基本的な条件を満たすだけでは、銀行の審査には合格できません。

同じ貸金業者であっても銀行と消費者金融は別物であり、それぞれの特徴を理解していないと、いつまでも審査に落ちる羽目になります。
(⇒カードローン審査に通らない人が確認すべきこと

ちなみに、消費者金融も銀行も、仮審査の難易度は低いです。顧客を受け入れる入口自体は広くしておくのは経営の基本です。

仮審査で弾くのは、収入が極めて不安定な無職(銀行は自営業も弾く可能性あり)と、債務整理経験者だけです。

これだけは知っておくべき!銀行の顧客評価審査の仕組み

銀行の審査、主に顧客の評価がどうやって決まっていくのかについて、ここでは重点的に触れていきます。

どにかく銀行の審査に通るための方法について知りたいという人は、この部分だけでも目を通しておくことを勧めます。

銀行が借り入れの新規契約申し込みを受けた際に、利用者のどの部分を見て、どのような評価を下しているのかについてです。

消費者金融には無い銀行特有の審査基準とは?

銀行の審査には消費者金融では行わない特有の審査があります。それが「属性審査」です。

属性とは、簡単に言うと「その人の生活状況を可視化したもの」です。簡潔にいっても若干わかりにくいので、具体例を挙げて説明します。

例えば、「30歳・独身・会社員・収入400万円・賃貸住宅在住・一人暮らし」といったように、顧客の社会的身分を表したものが属性です。

消費者金融の場合、審査の際に上記の中で重視されるのは収入だけです。しかし、銀行ではこれら全てが審査に考慮されます。

属性にはこれ以外にも、勤務年数・勤務先の規模・雇用形態・現住所の居住期間などがあり、これを総合的に判断して審査を行っています。

つまり、銀行で審査に断られる人に共通する原因とは、「収入が安定しているが、それ以外の属性が非常に低い評価を受けた」ということです。

だから、属性を考慮しない消費者金融では借り入れが簡単に出来るのに、銀行で断られたというケースが発生するのです。

銀行審査の属性と評価形式について

銀行が借り入れの審査をする場合、「スコアリング」という方法をとります。

スコアとは点数のことです。顧客の評価を、学校の成績評価のように各項目ごとに点数化していくのがスコアリングです。

ここでは例として、簡単なスコアリングを仮定します。属性の最高評価を5、最低評価を1としてその平均点で審査の合否を決めます。

項目は、先に述べた属性全てであり、それぞれに評価点の基準があります。それを平均して「3点以上なら融資を認める」と判定します。

逆に、このスコアが一定基準に満たないと、利用者は借り入れを断られることになります。「平均で2.5点以下なら融資を認めない」などです。

属性にはどんな評価基準があるのか

ここからは具体的な評価についてです。各属性がどうやって順位付けされているのかを、いくつか紹介します。

高評価を受ける属性の原則を述べておきます。「身分・立場・住居に柔軟性がなく、労働形態が安定的」であることです。

まずは契約者の立場や身分についてです。これらは簡単に居場所を移ることができないほど高く評価されます。

  • 独身よりも結婚をしている方が良い
  • 賃貸住宅よりも一戸建てに住んでいる方が良い
  • 一人暮らしよりも家族と同居している方が良い
  • 一箇所の建物に長く住んでいる方が良い

収入関係について述べていきます。こちらは雇用形態と収入が安定していることが何よりも高い評価を受けます。

  • 中小零細企業勤務より大企業勤務の方が良い
  • 非正規雇用よりも正規雇用の方が良い
  • 勤続年数は長いほど良い(10年以上・5~10年・3~5年・半年~3年・半年以下で評価)
  • 収入が高いほど良い(500万以上・300~500万・200~300万・100~200万・100万未満で評価)

これらが属性として点数化されて審査の際に最も重要な要素になります。

ここに挙げた区分けは、あくまで一例です。実際には銀行ごとにそれぞれ決まっています。

住居などは借り入れに関係ないと思われがちですが、銀行の場合、審査に関わってくるので、高額借り入れの際は特に注意が必要です。

属性でマイナス評価を受ける基準について

こうした各属性をそれぞれ点数化していくのが銀行の審査の仕組みですが、マイナス評価を受ける項目があります。

これが一定数あると、他の属性が高評価であっても借り入れに断られてしまいます。特に注意すべきポイントでもあります。

  • 収入が100万円以下である、もしくは直近の職場勤続年数が半年以下である
  • 自営業を営んでいる者で、直近3年間の業績が赤字である
  • 賃貸住宅に住み始めてから1年以上経ってない
  • 独身で一人暮らしである
  • 他の金融業者からの借り入れ(借金)が3社以上ある
  • 自身の年収の3分の1以上の額の借り入れを既にしている

このうち3つ以上当てはまると、銀行の借り入れで断られる可能性が高くなります。

特に最後の「年収の3分の1を超える債務」には気をつけましょう。銀行は総量規制対象外なので、一見便利なように見えます。

しかし、全く無関係ということではありません。既にそれだけの債務があるということは、しっかりとマイナス評価になっているのです。

銀行の借り入れ審査で落とされる人には共通する「原因」があった!

さて、ここまで説明してきた消費者金融と銀行の審査基準の違い、銀行の審査の特徴は、ある程度知ることができたのではないでしょうか。

消費者金融では受かるけど、銀行では審査に落ちる人の特徴もわかっていただけたと思います。

銀行の審査は消費者金融とは全くの別物です。難易度も、調べられる項目と条件も圧倒的にシビアです。

同時に、審査で弾かれる人にも特徴があります。銀行の審査で落とされる人の多くが「共通する原因」を持っています。

銀行の審査で求められるのは収入だけではないのです。住んでいる家、どんな労働形態か、家族構成はどうかといったことも調べられます。

審査で落ちる人の共通点は、こうした返済能力とは関係なさそうな部分で減点されていることが多いのです。

これを知っておくと、実際に審査を受ける前に自分である程度、審査に通りそうかを判断する参考材料になるでしょう。

審査の甘い人はいる?銀行は審査担当者と難易度の関係について

ところで、銀行の審査を受けるときに、担当者によって審査の難易度が微妙に変わることはあるのでしょうか?

例えば、何度も同じ銀行の借り入れを利用する人が、同じ担当者と契約の話をしたいと思っても不思議ではありません。

銀行側としても、顧客のことをよく知っている担当者が対応したほうがリスクを減らすことができます。

新規の申し込みの場合は、どの担当者でも初対面なので審査難易度に変化はないように思えるかもしれません。

しかし出来ることなら、少しでも借り入れしやすい人に申し込みたいと考える人も多いです。

ここでは、審査担当者と借り入れ難易度の関係について解説していきます。

審査をするのは人?それともコンピュータ?

私たちは、審査を受けるときに、銀行側がどうやって審査をしているのかを知ることができません。

もし審査に落ちたとしても、その理由を知ることもできませんし、借り入れ可能額がどうやって決まったのかを知ることもできません。

そもそも、審査をしているのは誰なのでしょうか。人が手作業で審査をしているのか、それともコンピュータで自動管理しているのでしょうか。

実際、膨大な顧客管理のためにコンピュータは必須です。属性の診断も機械管理されます。人の主観による誤差をなくすためです。

分かりやすく言うと、専用のパソコンに顧客データを人が打ち込み、それを元に判断しているので、審査をしているのはコンピュータになります。

しかし、それだけでは情報分析の精度が低いです。それを補うため、面接などを併用し、契約者の人となりを人間が審査しているのです。

そうして、目に見える情報の審査はコンピュータが行い、それだけでは分からない項目は人間が審査をしているのです。

銀行借り入れの難易度は人によって変わるか?

銀行で借り入れをする際に、担当者によって難易度が変わるかということですが、答えは「新規審査はノー・継続審査ではイエス」です。

新規借り入れでは、その人の信用評価は0です。銀行の従業員は、全員が同じ人に同じ評価を下せるように教育されています。

ですから、銀行の担当者が甘くなったり厳しくなったりすることはありません。第一、そんなことをすれば、銀行の信用はガタ落ちです。

継続して借り入れを利用した場合、「この人は信頼できる顧客だ」と判断されれば、以前より緩い審査で借り入れできることがあります。

審査を緩くするために重要なのは、審査をする担当者を選ぶことではなく、その金融機関に対してどれだけ実績を積み上げることが出来るかです。

ちなみに、審査の際に、銀行の担当者によって重視される条件がそれぞれ違うということもありません。

審査で重視される項目はあらかじめ銀行ごとに決まっており、担当者はそれを自身の裁量で変えることはできません。

つまり、この点に関しても、どの従業員に当たったとしても公平な審査をしてもらうことができます。

より借りやすくしたい!自分の信用価値を高めるためにすべきこと

銀行の審査を受けるときに、属性評価を上げるために、いきなり一戸建てに引っ越したり、急いで結婚したりするのは、正直不可能です。

給料だってすぐに上がるものでもありませんし、勤務先や勤務形態も、おいそれとは変えられません。

つまり、上述した属性の評価は一朝一夕に変えることができるものではなく、評価を上げるためにはかなりの手間と時間がかかるものなのです。

では、これらに頼ることなく、銀行の審査の評価を上げるためにはどうすればいいのかについて解説します。

銀行審査評価の狙い目は信用実績を上げること

審査に落ちる原因は、属性評価の点数不足にあります。そして、その属性の多くは改善に時間と手間がかかります。

ですが、属性の中には点数を上げやすい項目があります。それを利用して、短期間に「信頼できる顧客」になることができるのです。

信用情報を高くするために必要なのは、クレジットカードと消費者金融カードローン、それとある程度のまとまったお金です。

身分の綺麗な人は銀行に信頼されるのか?

審査の中で最も簡単に評価を上げられる項目は、「債務の返済履歴」です。

意外と知られていないことですが、借金を一度もしたことがない人よりも、何度か借り入れをして、返済を完了した人の方が高評価を受けます。

30歳までの債務歴が何もなく、履歴が真っ白の人もことを「スーパーホワイト」といいます。このような人の評価は決して高くありません。

一度の借り入れをしたことがない人は、銀行にとってみれば、返済できる人がどうか分からないのです。

「私は今まで一度も金融事故ないから安心」とはいかないのです。例えるなら、車のペーパードライバーのゴールド免許のようなものです。

そこで、クレジットカードで分割払いをしたり、消費者金融で低額のカードローンを組んだりして、債務実績を作るのです。

消費者金融を利用した返済実績のつくり方

消費者金融は、先に述べたように継続的な収入と本人確認さえクリアできれば、少額借り入れは簡単です。

これを期日前に全額返済して、半年から1年ほど定期的に借り入れと返済を繰り返します。

この時に、不自然な利用をしてはいけません。例えば、金利をケチるあまり、借りてすぐ返すを繰り返すなどはタブーです。

借り入れやクレジットカード払いを少しずつ経験して、銀行に「返済がしっかりできる人」と思ってもらうことが大事なのです。

そうすれば、銀行の評価も上がり、これまでのように消費者金融でしか借り入れできないといったようなこともなくなるでしょう。

【参考ページはこちら】
働き始めはカードローン審査に通らない?

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